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- 保存・修復の流れ
作品の構造や組成、損傷状態の調査記録を行い、
修復方針を決める。修復前の状態を撮影して記録する。
書・解体
書・解体終了：本紙と表装の分離完了
【松図・ウエットクリーニング】
作品に吸着している汚れを精製水で取り除く。
作品を精製水で湿らせた吸湿紙で挟み、汚れを吸着させる。
吸湿紙は数回取り替える。
【書・裏打ち紙の除去】
旧裏打ち紙を細心の注意を払いながら剥がして、本紙だけにする。
【松図・肌裏打ち】
新たに肌裏打ちを行う。
紙：薄美濃紙（長谷川聡制作 手漉き楮紙）
接着剤：生麩糊（小麦粉澱粉）
掛軸としての柔らかさを出すために増裏打ちを行う。接着力の弱い古糊を使うため打ち刷毛で打って圧着させる。
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紙 美栖紙（上窪正一制作 胡粉入り手漉き楮紙） -
接着剤 古糊（10年寝かせた生麩糊）
【書・調整する部分の図取り】
本紙の欠失部分に、似寄りの紙を欠失の形に整えて繕う。
【厚み調整用の紙貼り】
本紙の厚みのムラを緩和させるために、厚みが薄い部分に紙を貼って調整する。
【書・折れ伏せ入れ】
きつい横折れや亀裂が生じていた箇所に、細い帯状の紙を充てて補強する。
本紙の修復後、掛軸に仕立てる。
【松図・中裏打ち】
美栖紙と古糊を使用。
掛軸としての裂と本紙の厚さや柔らかさを整えた。
宇陀紙と古糊を使用。掛軸の最後の裏打ち。
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紙 宇陀紙（福西弘行制作 白土入り手漉き楮紙） -
接着剤 古糊（10年寝かせた生麩糊）
【書・欠失部分への補彩】
欠失部分に本紙の紙に対して違和感のないように色味調整を行った。
作品全体の汚れや染みは軽減され、横折れも無くなり、画面全体が明るくなりすっきりした。汚れは軽減だけに留めた。無理な漂白などの処置を行うと、作品自体に大きな負担が掛かり、今後の劣化を促進させるような影響を及ぼす可能性があるので、処置はなるべく負担が掛からない程度で抑えた。
