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過去のブログ紹介 扁額(へんがく)の修復 2

過去のブログ紹介 扁額(へんがく)の修復 2

過去のブログ紹介、前回に続き扁額(へんがく)の修復2についてです。

前回は、修復作品について紹介いたしました。
今回は、額についてです。

具体的な処置に入る前に、まずは扁額についてお話ししましょう。

日本の額は、屋外の寺社、楼門、鳥居などに名称を木彫りした板額から
の始まりです。いわゆる表札のようなもので、時代の流れと共に、
庶民の間では看板の形や、または奉納額としての絵馬が広がっていきました。

もう一つの流れとして、屋外から寺院の屋内へ、書院や座敷の鴨居に
掛けられるようになり、構造が屏風や襖などと同様な骨(木の骨組)と
紙で構築する形態へと変化していきました。和額が発達したのは幕末頃
で、書や南画などの文人趣味の流行によります。特に書の額仕立てが
流行りました。そこから、横に長い扁額(へんがく)の様式が確立されました。

明治以降に洋風の額縁―「洋額」が輸入されてきたことで、
それとは区別するために「和額」と言うようになります。

和額の構造
 和額の構造は、額縁とパネル装から構築されています。

◆ パネルの構造
 骨(木の骨組)に何層もの和紙を工程ごとに違う方法で貼っていく。
 これを「下張り」という。その表面に本紙を貼る。

◆ 下張りの役割
 パネル自体に強度を持たせる。
 骨を補強して歪みが出ないようにする。
 骨と本紙の伸縮の差を吸収し、裂けの損傷をくい止めるなどの、
 本紙の伸縮に対しての緩衝材としての役割をする。
 骨から出る脂(やに)を吸収し、本紙に影響を与えないようにする。


○ 骨(骨下地)
○ 骨縛り(ほねしばり)
○ 同貼り(どうばり
○ 蓑掛け(みのがけ)
○ 蓑(みの)縛り(蓑押さえ)
○ 下袋(下浮け)
○ 上袋(上浮け)
○ 本紙、小筋、大縁


詳細はブログをご覧ください。

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